GT-1 は受信機とアンテナの間に取り付けることで、人工的な受信ノイズを減衰させ受信状態を改善する受信専用の絶縁トランスです。
40kHz~30MHzの帯域があり、長波・中波・短波帯専用の絶縁型伝送トランスです。
AOR GT-1(ガルバニック・アイソレーション・トランス)
最大の特徴は、グランド・ループの断ち切りが主な動作ですが、長波帯でのその特性は特筆すべきモノがあります。
ノイズ発生帯域のほとんどが長波帯辺りに集中していることにも原因がありそうです。
アンテナと受信機との間に接続するだけで、その効果が実感できます。
AOR GT-1の内部構造
AOR GT-1 内部構造
ノイズを遮断させるトランスの構造とはどのようなものなのかを見てみたのが左図です。
内部には大きめのフェライト・トランスに巻かれたトランスが一つあるだけでした。
それもかなりラフな巻き方のトランス・コイルでした。
そのトランス類を収めたケースにはプラスチック製のケースが使われています。
入出力間のアースをも絶縁させた構造です。
回路構造はいたって単純です。
AOR GT-1 絶縁トランス・コイル構成の実際
内部の絶縁トランスは左図の様に単純巻きにてトランス・コイルとしています。
入力・出力側トランスの巻き線コイルを重なり合わないようにする事が重要です。
少しでもノイズのアイソレーションを持たせる為で、製造し易い為では決してありません。
その様なトランス巻き構造なので、ここに使用されているフェライト・コアは、#75~#77という高誘磁率のコアが使用されているものと察します。
AOR GT-1 の伝送周波数特性
AOR GT-1 0~30MHzでの周波数特性
左図は、0~30MHzまでの伝送周波数特性を測定したものです。
縦軸は1dBmです。
初め、10dBmで測定しましたが、ほぼフラットな特性だった為に縦軸レベルを拡大して観てみました。
それでもこれだけの伝送特性を有したトランスでした。
AOR GT-1 0~1MHzでの周波数特性
左図では低周波領域がどの様な伝送特性なのかを測定して調べたものです。
これもやはり、縦軸は、1dBmです。
思った以上に低周波領域まで伸びていました。
40KHz JJY信号も十分通過出来そうです。
中波帯域は、まったく問題無いレベルだという事が判ります。
AOR GT-1 0~500MHzでの周波数特性
かなり高性能な絶縁伝送トランスだという事が判ったので、今度はどこまで伸びているのかを調べてみました。
左図は、0~500MHzまでの伝送周波数特性です。
低周波とは違いだいぶ減衰が大きかった為に縦軸を10dBmにしています。
これを参考にどこまでの使用が可能なのかが判断出来ます。
VHFやUHF帯では、もはや減衰器ですね。
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