Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造


これまで色々な付帯的実験をテストしてきましたが、その応用編として、受信用  Active Antenna を製作してみました。

巷での話題にも昇っている、Pa0rdt-Mini-Whip という大変小型な形状のシロモノをベースとしました。

何故なら、これほど小型にも関わらず、しっかりした受信が出来てしまう優れものだからです。
とても不思議な感覚になりますが、切手の大きさほどの超小型アンテナでも、ちゃんと普通に受信出来るのですから驚きです。

そこで、その秘密は何か? ということも含めて実験してみました。

オリジナル回路では、電源側電流が約50mAほど流れますが、その部分に手を加えて、回路電流を約30mAとしています。

そしてまた、回路へ供給する電源側の電圧変動にも対処する為に、安定化電源化を図っています。
その為、オリジナルとは違った係数での回路構成になってしまいました。

ついでなので、手持ちの RF AMP IC なども比較してみたいと思いまして、それらも実験しました。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造 回路図



Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip u1651 改 回路図

上図が、今回実験した2種類の回路です。
RF AMP 部の二段目のTr 2N5109 の部分をRF IC u1651 として比較実験してみました。


同軸電源供給 電流制御式 バイアス・ティー回路

先日実験テストした、同軸電源供給 電流制御式 バイアス・ティー回路をそのまま利用してアンテナへ電源供給しています。
何事にも安全対策を心がけましょう。
という回路構成です。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造の様子

組み立てた基板の左端にある、5mmほどのラインがアンテナ取り付け部分です。

動作確認も兼ねて、電源を入れてみて、ビックリ!!!!

この細いラインだけでも中波帯・放送局がほぼ全局受信出来てしまいました!!!!!

何ということでしょう!!!

これじゃぁ、別にアンテナなど必要ないわぃ、、、っと、思い、ハンダ付けを外したところ、何と!!!!

受信信号が途絶えてしまいました。

お~ぅ、、、、こんなに小さなアンテナだけでも、しっかり受信信号を捉えていたのか、、、という驚きでした。

回路基板からの電波受信では無いことがハッキリしました。
もちろん、ケーブルからの受信など皆無です。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造 比較

両者とも同じような特性を示しましたが、若干、u1651の方が増幅率が高いようです。
2N5109の方は、いたってシンプルな特性で、ほぼ0dBというフラットな特性でした。

しかし、この様な動的特性だけで優劣を付けるには考えが単純過ぎますので、実際の受信をしてでの比較実験をすることにしました。



各アンテナ比較実験


いつも使っている、ディスコーン・アンテナを0基準にしています。
また、使用した受信機は、SDRPERSEUS です。

全バンドが見渡せるように、HF Span という40MHzまで一気に受信表示出来るソフトを使用しました。
これの方が、一度に見渡せますので何かと比較出来ると思います。

両者とも甲乙付け難いほどの優秀な特性と、その実際とが描き出されました。


2N5109 Vs u1651 比較


上図は、40KHz JJY 信号を受信したところです。
しかし、実際に放送局を受信してみて気が付いたのですが、どうも、u1651のRF IC を使ったモノの方にノイズに弱い特徴的特性があるようで、受信しながら、それが気になって、気になって仕方がなくなってしまいました。

別に気にしなければ、何という事ではないのかもしれませんが、やはり、気になる。

という訳で、Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造の回路には、2N5109を搭載したモノを使うことにしました。

それでは、その特性や如何に!!!


Active Antenna 各部の特性図

これを見れば判ると思いますが、2N5109の回路ではバッファーとして動作させていますが、広帯域に少し増幅しています。
それも大変素直な特性をしています。


Active Antenna Vs ディスコーン


アンテナの違いを比較してみました。
使用受信機には、RSP1A という最近のSDR受信機を用いてみました。
図では、中波帯全域を一度に表示出来るようにしています。
この設定が、PERSEUS では出来なかった為に、他の受信機を使いました。

どうでしょう???
Active Antennaを使用しても通常なら起こるであろう、迷信号の発生が皆無です。

また、Active Antennaを用いることで、ディスコーン・アンテナでは受信出来なかった放送局が、何と!!!

しっかり受信出来てしまい、それもちゃんとした受信音までスピーカーから流れてきたときには、正直、驚きました。

いやはや、アンテナって、大きいの、要らない!!!! などと思ってしまいました。

実験して気が付いた点は、初段FETは、それなりのインピーダンスが確保出来るのであれば、何でも利用可能であるが、二段目のバッファー回路には、是非とも、2N5109を使用した方が良さそうだ、という事です。

そしてまた、ゲインを稼ごうとして、この小さなアンテナ面積を大きくしても、確かにゲインは少々上がりますが、さほどなメリットが有る訳ではない事も判りました。

この超小型・受信アンテナ、一台、ポケットに入れておいても良さそうです。


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