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SDRplay RSP1A の低域帯テスト


最近のSDR受信機には、それなりに完成された性能を搭載したものが多く出現してきています。

その中で興味を持ったモデル、SDRplay RSP1AというSDR ラジオを用いて個人的に最も受信する領域である、低域帯の受信で検証実験を行ってみました。

表面上の本体性能比較などだけでは見えてこない部分がハッキリ目で、耳で確認出来るまでの比較が出来ました。

比較テストする為の基準受信機には、SDR器として完成の域にあると思われる、PERSEUSに委ねました。
また、比較する為にも同一受信ソフトを用いて行いました。



最新SDR 受信機 RSP1A の外形 

性能も高性能ながら、低価格を実現させるためだと思われるような、プラスチック製ケースを用いています。
しかし、このケースの中側には、内面全体に導電性塗装が施されていて、内部のユニットをシールドし、保護していました。
SDRユニットへの電源供給などもUSBからの供給と、色々便利な、使い心地を考えつくした構造になっています。



RSP1A の内部の様子

ケースの中にはSDRユニットが入っているのですが、写真で判るように、たったこれだけ、でした。

今どきの、これからの受信機への変貌を伺い知れそうな構造物ですね~ぇ。

ゲジゲジ だらけ、、、、。
まるでアリさんの行列を見ているかのようです。

全体的な回路構成比率として、各バンド毎のフィルター切替回路が大半を占めており、約2/3ほどの面積をそれだけで占めていました。
ここの所を高性能化出来れば、現行モデルよりも高性能化が図れるのでは???
などと、考えながらシゲシゲと眺めてみました。
低域帯への改善も、それで多少は良くなりそうな予感がします。



PERSEUS Vs RSP1A 40KHz JJY 受信比較

本来なら、受信ソフトをHDSDRを使いたかったのですが、どうもWindows 10になってからというもの、UpDate毎にドライバーが認識出来なくなってしまい、SDRplayという新しいSDR受信ソフトにて行うことにしました。

通常のラジオ受信では大した性能差も無く、普通に活用出来るのですが、今回のテストのような低域帯・受信では、その差、歴然とした性能差が出てきてしまいました。

さて、その様子を見てください。
見れば判ると思いますが、PERSEUSでは何の問題もなく、不自然な感じもなく受信出来ていますが、RSP1Aでは、0Hzキャリアーの影響と思われる無数のオバケが沢山、出現してきました。
その影響なのか??? 目的である、40KHz JJY 信号がマスクされているかのように受信信号自体に抑制力が働いているような塩梅でした。
低域帯設定時には、受信信号それぞれが混ざりあってしまっているかのようでした。
性能表では、1KHz~という表示になっていますが、とても実用的受信活用は難しい感じだと、思いました。

色々なSDR受信機を使ってみた感想で、個人的にPERSEUSという古臭いと言われそうなモデルですが、とても素直な性能を秘めており、信頼感を感じながら使っています。

中々、素直な性能を出してくれるものって、難しいですねぇ。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造


これまで色々な付帯的実験をテストしてきましたが、その応用編として、受信用  Active Antenna を製作してみました。

巷での話題にも昇っている、Pa0rdt-Mini-Whip という大変小型な形状のシロモノをベースとしました。

何故なら、これほど小型にも関わらず、しっかりした受信が出来てしまう優れものだからです。
とても不思議な感覚になりますが、切手の大きさほどの超小型アンテナでも、ちゃんと普通に受信出来るのですから驚きです。

そこで、その秘密は何か? ということも含めて実験してみました。

オリジナル回路では、電源側電流が約50mAほど流れますが、その部分に手を加えて、回路電流を約30mAとしています。

そしてまた、回路へ供給する電源側の電圧変動にも対処する為に、安定化電源化を図っています。
その為、オリジナルとは違った係数での回路構成になってしまいました。

ついでなので、手持ちの RF AMP IC なども比較してみたいと思いまして、それらも実験しました。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造 回路図



Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip u1651 改 回路図

上図が、今回実験した2種類の回路です。
RF AMP 部の二段目のTr 2N5109 の部分をRF IC u1651 として比較実験してみました。


同軸電源供給 電流制御式 バイアス・ティー回路

先日実験テストした、同軸電源供給 電流制御式 バイアス・ティー回路をそのまま利用してアンテナへ電源供給しています。
何事にも安全対策を心がけましょう。
という回路構成です。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造の様子

組み立てた基板の左端にある、5mmほどのラインがアンテナ取り付け部分です。

動作確認も兼ねて、電源を入れてみて、ビックリ!!!!

この細いラインだけでも中波帯・放送局がほぼ全局受信出来てしまいました!!!!!

何ということでしょう!!!

これじゃぁ、別にアンテナなど必要ないわぃ、、、っと、思い、ハンダ付けを外したところ、何と!!!!

受信信号が途絶えてしまいました。

お~ぅ、、、、こんなに小さなアンテナだけでも、しっかり受信信号を捉えていたのか、、、という驚きでした。

回路基板からの電波受信では無いことがハッキリしました。
もちろん、ケーブルからの受信など皆無です。


Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造 比較

両者とも同じような特性を示しましたが、若干、u1651の方が増幅率が高いようです。
2N5109の方は、いたってシンプルな特性で、ほぼ0dBというフラットな特性でした。

しかし、この様な動的特性だけで優劣を付けるには考えが単純過ぎますので、実際の受信をしてでの比較実験をすることにしました。



各アンテナ比較実験


いつも使っている、ディスコーン・アンテナを0基準にしています。
また、使用した受信機は、SDRPERSEUS です。

全バンドが見渡せるように、HF Span という40MHzまで一気に受信表示出来るソフトを使用しました。
これの方が、一度に見渡せますので何かと比較出来ると思います。

両者とも甲乙付け難いほどの優秀な特性と、その実際とが描き出されました。


2N5109 Vs u1651 比較


上図は、40KHz JJY 信号を受信したところです。
しかし、実際に放送局を受信してみて気が付いたのですが、どうも、u1651のRF IC を使ったモノの方にノイズに弱い特徴的特性があるようで、受信しながら、それが気になって、気になって仕方がなくなってしまいました。

別に気にしなければ、何という事ではないのかもしれませんが、やはり、気になる。

という訳で、Active Antenna Pa0rdt-Mini-Whip 改造の回路には、2N5109を搭載したモノを使うことにしました。

それでは、その特性や如何に!!!


Active Antenna 各部の特性図

これを見れば判ると思いますが、2N5109の回路ではバッファーとして動作させていますが、広帯域に少し増幅しています。
それも大変素直な特性をしています。


Active Antenna Vs ディスコーン


アンテナの違いを比較してみました。
使用受信機には、RSP1A という最近のSDR受信機を用いてみました。
図では、中波帯全域を一度に表示出来るようにしています。
この設定が、PERSEUS では出来なかった為に、他の受信機を使いました。

どうでしょう???
Active Antennaを使用しても通常なら起こるであろう、迷信号の発生が皆無です。

また、Active Antennaを用いることで、ディスコーン・アンテナでは受信出来なかった放送局が、何と!!!

しっかり受信出来てしまい、それもちゃんとした受信音までスピーカーから流れてきたときには、正直、驚きました。

いやはや、アンテナって、大きいの、要らない!!!! などと思ってしまいました。

実験して気が付いた点は、初段FETは、それなりのインピーダンスが確保出来るのであれば、何でも利用可能であるが、二段目のバッファー回路には、是非とも、2N5109を使用した方が良さそうだ、という事です。

そしてまた、ゲインを稼ごうとして、この小さなアンテナ面積を大きくしても、確かにゲインは少々上がりますが、さほどなメリットが有る訳ではない事も判りました。

この超小型・受信アンテナ、一台、ポケットに入れておいても良さそうです。


HF帯域 簡易小型アンテナの比較


HF帯域の受信に使用する小型設置型アンテナの比較をしてみました。
巷で評判の303WAという、一風変わったロッド・アンテナのような受信専用アンテナを試す事が出来ましたのでテストすることにしました。

303WA アンテナ


単なる垂直ロッド・アンテナのように見えますが、
接続部分に秘密があるようで、長波域から使えるという、おもしろいアンテナです。


こんなんで長波域の受信信号が受かるのかな???
などと、外観だけ見ると思ってしまうぐらい小型アンテナです。

それも、アクティブ型ではなく、パッシブ型という、無電源での受信アンテナです。
















303WA Vs ディスコーン・アンテナ


こちらで使用しているディスコーン・アンテナは、AM対応という、内部にコアが内蔵されている代物なので、長波受信帯域までには適さない特性を持っています。
それでも、多少は受信していますので、そのままでの比較としました。

使用受信機は、IC-R8600 です。

どちらのアンテナでも同じように受信出来ています。
ただ、303WAの方が多少、受信信号の強度が強い感じを受けました。

その違いとは、一体何なのか???
それを簡単に観てみました。


303WA S11 Phase ライン

これを見ると判るように、11MHz辺りに位相反転現象が見られます。
その後、なだらかなカーブ特性となっていました。


303WA S21 特性

S11の反転帯域辺りから特性が素直になっています。
そして、70MHz帯辺りに深いディップがあり、物理的特性の現れとして読み取れます。


303WA Smith チャート


スミス・チャートを見る限りでは、特性上の大きな暴れは見られませんでした。

それらの特性から、ロッド・アンテナと、アンテナ・コネクターとの間にはインピーダンス・変換コアの存在が考えられますね。
単なる、比率変換だけではなさそうです。

常に使い続けるアンテナとして、無精者の自分に合ったアンテナは、やはり、ディスコーン・アンテナという事に収まりそうです。
毎度なことながら、ディスコーン・アンテナ、これ、万能アンテナではなかろうか? とも思えてきます。
理由は、無調整・広帯域性の確保が主な理由です。

今度は、アクティブ型 小型アンテナとの比較をしてみたいと思います。

パソコンのみで受信機を構築


標準的なパソコン本体だけで受信機を構築してみようと試みてみた。
以前からスタンダードなPCソフトは数あれど、多機能・高機能を誇るソフトもありますが、簡単・便利なPC受信機を聞くにはそれなりの意気込みが必要でした。

そこそこの機能でもって、そこそこの性能でもPC受信機が構築出来てしまいますので、もっぱら簡単受信にはこのPC受信ソフトを利用しています。
受信していて、これは!!!! っと、思う時には多機能・高性能なソフトを立ち上げて本格的受信をしています。
ただ、多機能な為に、活用するまでには多少の慣れと、本格的専門知識とが必要ですが・・・。

PCだけの 40KHz JJY信号受信の様子

緑色ラインがマイク入力からの受信信号の全帯域です。
青色ラインは受信信号復調信号表示です。
最高受信帯域は、96KHzまで可能ですが、見やすくするために48KHz帯域にて受信しています。

このソフトの特徴は、低周波受信(VLF帯域)に特化したモノで、色々な操作をせずともPCのスピーカーから受信信号が出力されて受信可能なところでしょうか。

今回、使用したソフトは、Panoramic VLF Receiver というソフトですが、とても使いやすいソフトに仕上がっていると思います。

受信する時に必要な機能が立ち上げただけで動き出します。
その便利さが最高です。

DBM使用 中波放送局の受信の様子


判りやすくする為に、SGから単一信号を加えています。
PC受信ソフトだけでは最高受信帯域が96KHz止まりなので、PCのマイク入力へ外部にDBMを利用した受信コンバーターを入れれば、DBMの特性が許す限りの帯域を受信することが可能となります。

このソフトのおしい所は、FM受信が出来ないところでしょうか。
144MHzや430MHz帯でも同様な方法でPC受信が出来るのですが、如何せん、FMモードが無いために正常受信音とはならないようです。

ここに使用したDBMですが、注意点が一つあります。
PCのマイクへ入力するためには、音声帯域というIF周波数になるということを念頭に製作しなければなりません。

通常のDBMでは音声帯域までのダウン・コンバートは不得意ですので、少々工夫が必要になります。
AFトランスなどを利用した、RF--DBM--AF としなければなりません。

世の中、益々、自作する意欲を削ぐ環境になってきているようですが、負けじとオジサンは、せっせと RF--DBM--AF コンバートの製作に励んでいます。

PC一台あれば、今や何でも出来ちゃうのではなかろうか??? などと思ったりもしていますが、ゲルマ・ラジオの様な付加回路だけは万能PCでも不可能!!!!

それだけでも救われた気分に浸れます、、、、、、。

IC-R8600 ALL Digital RX 高性能受信機


高性能・多機能 ALL Digital RX 受信機

IC-R8600

ようやくここまでのデジタル・受信機が世の中に登場しました。
以前にも存在はしていたものの、プロ用のとても高価なシロモノでした。
それも、単に受信するだけでした。
量産製品として世の中に出たのは、すばらしい事です。
今どきの思考なのでしょうか???  とても多機能なのです。
その為、一つのボタンに多数の機能が受け持たれている為に、頭がボケたとしたら、もう操作できそうにもありません・・・・・。


今までの受信機よりも、遥かに小型で、コンパクト。
そして、何より軽量です。
多機能な操作の補助として、タッチ・パネル式が採用されていますが、iPADのような静電式ではなく、圧着式ということです。
その為、単に触っただけでは反応はしないようです。 が、どういう訳か、手元のIC-R8600では、触っただけで反応してしまいました。
今はまだ、新品だからだと、、、、思うようにしています。

IC-R8600  ブロック図

ついにここまで、、、、、、、。
受信機性能の基本部分には、FPGAが鎮座しており、そこで全ての受信復調を担っています。
今までの様な、アナログ回路が使われていません。

このデジタル受信機を動かしての、ファースト・インプレッションは、
デジタルらしさも無く、まるでアナログ受信機、、、、、。
しかし、フェージング現象が著しい、短波帯を受信していた時、信号が減少した時の復調音に何やらデジタル臭さが漂っていました。
ただし、注意深く聞いていないと判らないほどの微小な点です。
何やら、粗探し、のように感じますが、本器の持つ多機能・高性能を体験してしまうと、どうでも良くなってしまいます。

今までの高性能・受信機にも多機能・メモリーが搭載されていましたが、IC-R8600のメモリー管理ソフトを体感してしまうと、もう、戻れません。
ほぼ、スマホのような操作性には、今どきの感覚を覚えました。
メモリーの入れ替え、書き換え、そして、保存と、どれをとっても今どきです。
このメモリー機能、個人的に気に入ってしましました。
ときどき受信出来る、周波数を、バンバン、メモリーへ放り込んでいます。

デジタルならではだと感心した点があります。

NB ノイズ・ブランカーの理想形なのではないか??? とも思える動作です。

受信周波数移動時のスムーズさ、が何よりも快適です。

以前のアナログ式受信機のように、一瞬、息つき現象のような瞬間的断続がまったく見られませんでした。

IC-R8600  内部構造 

コイルが見当たらない、、、。 なんて こったぁ~っ。

歯抜け 改修


IC-R8600 では、受信復調音の音にもだいぶ拘った様で、内部のスピーカー部には、受信機としては初めての試みだと感ずる、スピーカー・ボックスが採用されていました。
それも、スピーカー部分の筐体を本体から免振ゴムにて支える構造とし、スピーカーから出る音の振動を本体側に受けさせない構造になっていました。
そしてまた、スピーカー・ボックスには、これもまた、新しい試みなのでしょうが、低音の補正用として、バスレフ式スピーカー・ボックスが用いられていました。

実際、FM帯を受信し、ミュージックを聞いていると、今までの受信機では不可能だった、リスニング的・受信が十分出来てしまいました。
もはや、FMオーディオは不必要かも ????  などと、、、、。



実際の受信の様子です。
ほんと、良い音が出ています。
ただ、微弱な電波の場合には、デジタル・臭さが目立ってきますが、、、、。


多機能・高性能・メモリーに、苛立ちを感じながら一つずつ入力した、日本全国の中波放送局の受信の様子です。
とにかく、多機能すぎて、イライラしっぱなし、です、、、、、、。
一つのボタンが複数機能となっている為、イライラ しっぱなしでした。

いゃはゃ、お頭も だいぶ、ボケボケ ぎみですね~っ。


IC-R8600 単体だけで、RTTYなどの受信復調と、その表示が可能なのですが、それが中々、むずかしぃ、、、、、。
RTTY局自体、常時ではなく、時々なので、それも忍耐のいるところです。
丁度、送信していた局があったので、それを受信してみましたが、アマチュア局ではないので、シフト幅が違っているのですが、そのまま受信していますので、正確な表示にはなっていないようです。

いゃはゃ、、、設定項目にたどり着くまでに受信出来なくなってしまいますょ~っ。

そんな訳で、そのままの受信結果です。

IC-R8600 動作時の電源容量は、13.8V供給時 交流電源側での測定で、28Wでした。

だいたい、13.8V 3.5A 程度の電源容量は最低限必要なようです。
起動時に、だいぶ電流が流れていました。
その後の安定受信時に、交流側で、28Wまでになり、落ち着きます

USB RTL ドングル・受信機も多機能・高性能なのですが、いかんせん、パソコンの前提が有って動作する受信機器です。
この IC-R8600 は、スタンド・アローンで全てか動作出来る、USB ドングルのような感覚です。

望むらくは、受信復調音のみのメモリーへの記録を、出来れば、USBドングルのように受信電波信号そのものも記録・録画出来ていれば、すばらしい、と、思いました。

RTTYのみではなく、ここまでの高性能機であれば、世界初の試みとして、SSTV復調画面表示や、FAX画像表示なども可能になれば、すばらしい、と、考えます。
ファーム・アップで、何とかしてもらいたいですねぇ。

しかし、とうとうここまでの受信機が世の中に現れてしまいました。

いたずら心たっぷりの、小大人には、十分すぎる、パーツとなりそうです。

これを利用して、今度、何か、おもしろ 電子関連などを、などと思っています。

IC-71 40MHz IF DBM テスト


手持ちの市販DBM ダブル・バランスド・ミキサーがRF入力として使った場合に低周波領域まで伸びていない事が判った為に、ここも自作することにしました。
その為にも各ブロックごとの動作を把握しておかなければなりませんので、簡単なテストを行ってみました。

40MHz 1st IF DBM テスト回路 

非常に簡単ですが、通常のFB801タイプのコアよりも二回り小さな材質の同等なコアを使ってテストしてみました。



毎度の事で、カット基板上に各パーツごとに組み立てています。
この様にブロックごとに組み立てていけば、最終組み立ても楽になります。
ただ、一つ一つの各パーツ基板が小さい為に、目を凝らしながらの作業となりますが、これが大変でした。





出来上がった40MHz 1st IF 回路の DBM と、40MHz BPF 回路のテスト基板の様子です。


DBM 低周波領域でのテスト


通常の周波数範囲なら、どんなDBMを使ったとしても大差なく利用することが出来ますが、低周波領域 0MHz~という領域が、実に厄介なのです。
それをテストしてみた結果が、上の様子を写したモノです。

Lo 信号 40MHz  +7dBm

RF 入力信号 0~1MHz をスイープ入力

IF 出力   40MHz 出力信号

どうでしょうか???

IC-71 の 1st IF 周波数変化の方向が、通常とは違い、逆方向への移動変化となりますので、右端が 0Hz-->40MHz   左端が 1MHz-->39MHz  となっています。

だいたい、許容範囲での把握では、500Hz 辺りから同一出力レベルに成りました。

f特なども良好ではないでしょうか?
うねり無く、素直なミックス信号が出力されています。

DBM に注入する Lo信号の漏れレベルが多少、大きくなってしまいました。
その点だけを簡単に改善する方法は、DBMに使用するコアに巻き方を変えて巻くことにより、だいぶ改善はします。
しかし、その方法だと低周波領域が苦しくなってしまいましたので、局発信号の多少大きくなった漏れ具合には目をつぶることにしました。

だいたいの動作テストを行った感想は、なかなか実用的だ、という思いがします。

SDR Radio ワンセグチュナー超小型HFコンバーターの製作



このワンセグ・オールバンドSDR Radio受信機を、その名の通りポケットにも入る小型化を試みてみました。

今まで色々な方法でワンセグHF帯域ダウン・コンバーターを試して、その各コンバーター毎の特徴がつかめてきたように思います。

そこで、今度は、性能はそこそこでも、とにかく超小型!!!
これこそ、完成形ではないでしょうか?

という訳で、早速製作してみました。


SDR Radio 超小型HFコンバーター

左図がRTL SDR Radio 基板と

超小型HFコンバーター基板です。


100MHz OSC

LPF+Mixer+HPF

だけの回路構成です。


RTL SDR Radio 基板上の不必要なパーツは可能な限り取り除いています。











回路図はいたって簡単な基本的構成で出来ているので割愛しました。
上図を見てもらえば実体配線どおりの素直な回路構成で出来上がっています。

完成したときにとにかく超小型を目指しましたので、基板の大きさなどは同一サイズとしました。



超小型HFコンバーター 一体型完成の内部の様子


左図が組み上げた様子です。



RTL SDR Radio本体基板と小型HFコンバーター基板とを二段重ねした構造としています。













回路を製作するのはさほどエネルギーは使いませんが、外部ケースなどの付帯品の問題が一番厄介なところなのです。
中々使えそうなケースも見つからず、在ったとしても、帯に短し 襷に長し のモノばかり・・・。

毎度の事なのですが、このような時はケースも自作!!!
これが一番の近道です。

0.5mm厚 真鍮版をカット・曲げしながら超小型のHFコンバーター一体型のRTL SDR Radioとなるようにケースを製作しました。
USBは、壊れたUSBマウスのケーブルをブッタ切ってリビルト利用です。



超小型HFコンバーター 一体型完成の比較


どうでしょう????

超小型?に仕上がったと思いますが・・・。

















この小型タイプよりも小型に製作するには、もはや、本体基板ごと製作し直さないと難しいレベルになっています。


超小型HFコンバーター 一体型と最終版HFコンバーターとの比較




大きさの比較です。


















以前、製作した最終版HFコンバーター回路の完成品との比較です。
出来るだけ小型化を目指しましたが、これ以上の小型化は私には無理でした。

超小型といっても、使用している100MHz OSCはTCXOと、贅沢な内容になっています。
が、しかし、既に理解し判っている方もいると思いますが、そんなに神経質になるほど厳密な補正など必要もありません。
これは、このRTL SDR Radio の局発サンプリング方式に起因するところなので仕方ありませんね。
ほどほどで十分です。
ただ、勿体無いほどの高級パーツを手持ちしているのであれば、死蔵するのなら、大いに利用しましょう!!!

使うのは、、、今ですょ!!!!



各SDR Radio との比較


全てがSDR Radio だらけ です・・・・。


























今回のように超小型化に製作してしまうと、今まで製作してきた大きな図体のシロモノの出番が無くなりそうですね。


超小型HFコンバーター 一体型SDR RadioにてMW帯域受信


超小型と言えどもちゃんと受信出来てます。






















超小型故の性能低下では話になりません。
ただし、以前、製作した最終版HFコンバーターと比較すると性能はほんの少し落ちます。

それでもこれだけ受信出来ていることに喜びすら感じてしまいます。
なんと、ポケットにもスッポリ入ってしまう、名実ともにオールバンドSDR Radioの完成品ですから。


超小型HFコンバーター 一体型SDR RadioにてFAX受信



この超小型機での性能は如何に???





















性能を視覚化出来るFAX受信でそれを見てみました。
上図は、7MHz帯のFAX信号を受信した様子を示しています。


超小型HFコンバーター 一体型SDR Radio & KG-FAX


FAX受信結果です。


ついでに、アンテナの違いも実験してみました。



















どうでしょう???
この超小型HFコンバーター 一体型SDR Radio ・・・・・・。

なかなか、どうして、良い線 出ていると思います。
FAX受信などのデーター受信は、とても時間が掛かってしまうので、その間、ぼ~っとしているのも良いのですが、どうせなら、受信アンテナの性能というか、各アンテナの特性などを比較してみる事にしました。

FAX受信最初のところは、ディスコーン・アンテナで、FAX画面中央からは、マグネチック・Loopアンテナに切り替えてFAXを受信してみました。

ディスコーン・アンテナでは、フェージングの影響がモロに画面に描かれていますが、Loopアンテナでは、その影響が少なくなっていることが判ります。

以前の大型コンバーターよりも多少性能的に落ちますが、この超小型、気に入っています。

楽しいですょ~っ。

超小型HFコンバーター 一体型SDR Radio

是非、トライしてみて下さい!!!!

フェライト・バー・Loopアンテナの製作

今まで沢山の違ったアンテナを数多く試してきました。
その都度、変わったアンテナを見つけると、やはり、試したくなる性分は年をとっても変わらないようです。

現在、基準として使用しているアンテナは、磁界ループ・アンテナがメインですが、どうしても大きさがネックと感じていました。
高性能なモノにしようとすると、大型ループ・アンテナを連想しますが、我が家での最大ループ径は、2.5mが限界です。
その大きさ故の弊害も幾度と無く経験してまいりました。
強風などの自然現象には、めっぽう貧弱なばかりか、アンテナ以外の関係の無い建物への被害たるやそれは酷いものでした。

そこで、この便利な磁界アンテナをより小型に出来ないか、などと考えておりました。
巷で流行っていそうなアンテナを参考に考察を加えてみました。

磁界ループ・アンテナという種別DNAは譲れない項目です。
何故なら、外来ノイズに対しての防御率は、これを除いて語れないからです。
アンテナ感度というモノサシで比較するならば不利ですが、人工ノイズに対する防衛は他にありません。
また、非同調型という点も見逃す事の出来ない有利なところだと思います。

携帯小型ラジオに内臓されているバー・アンテナは、一種のループアンテナなので、この小型なバー・アンテナをより実用的に改造してどうなるのかを検証してみました。

先ずは、材料です。
毎度のジャンク・パーツからの調達、リビルドを行います。

使いそうも無いジャンク・パーツの数々、使うのは何時???

今でしょ!!!!


ジャンク・AM用バー・アンテナ

手持ちの中でも綺麗なバーアンテナを写真にしてみました。

これらほぼ使う事もないジャンク・パーツ品をリビルドしてしまいましょう!!!


バー・アンテナに元々付いていた部品を丁寧に外します。









バー・アンテナ付属のコイルたち

数種類のバーアンテナに付属していたコイルを断線させないよう、綺麗に外しておきます。

このコイル材を後々コイル線としてリビルド使用します。

今となっては入手も難しくなってしまった、リッツ線を贅沢にも使用していますので、そのまま捨てるには惜しい限りですね。

何かに活用してこそ、浮かばれるというものです。





バー・アンテナのフェライト棒を巨大化

リビルトされて得られたフェライト棒を瞬間接着剤にて仮止めし、全体の隙間にホット・ボンドを流し込んで固定化させています。

叩いてもビクともしません。

全長 24cmほどの大型フェライト・バーアンテナの元が2本ほど出来上がりました。
不ぞろいな所も有りますが、気にしない、気にしない・・・。



大型フェライト・ループ・アンテナの完成

フェライト棒の表面にはデコボコがありますのでキズ防止も兼ねてコピー用紙にてカバーをしておきます。
その上に磁界ループ・アンテナとする為に同軸ケーブルを巻きつけます。
手持ちの関係でRG188テフロン・ケーブルを使っていますが、だいぶ勿体無い使い方ですね。


巻き数は、大体、40回ほど巻いています。
また、アンテナ出力側に付加しているフェライト・コアによるバランは、#73よりも多い数値のフェライトを3段使用してみました。
VLF帯域を前提としているための処置です。
その為、HF帯域などでは減衰が激しいです。
磁界シールド・ループ・アンテナの場合、このフェライト・バランの仕方によっても性能が変化します。


フェライト・ループ・アンテナのみでの40KHz JJY受信

非同調なので楽チンです。
フェライト棒が電磁界を拾い集める役目を果たし、その為小型でも受信が可能になるわけです。







直径1m磁界ループ・アンテナでの40KHz JJY受信

フェライト・ループアンテナと比較してもさほどな違いはSメーターからは感じません・・・・。
しかし、受信していてその差は歴然としていました。
やはり、直径1mループ・アンテナの方が全体的なノイズ感が少ないのです。



という訳で、このノイズの違いを最小限にするべく、色々試してみました。
その中において、有望な方法が、コイルとコンデンサーとで同調回路を付加する事が一番効果が見込めました。


フェライト・ループ・アンテナ+同調コイル回路

ジャンク・バー・アンテナを分解して得られた、貴重なリッツ線を一つずつハンダ付けしてコイル材として使いました。
数種類のリッツ線が入り混じっていますので完成したコイル部分の色味に模様のような味わいが現れました。
適当に飽きるまで巻き、その時のコイル値は、約5mHでした。



フェライト・ループ・アンテナ+同調回路

適当なコイルでも、リッツ材使用の豪華なコイルです。
さぞかしQも高かろう?などとほくそえんでしまいます。

コイルの値が、5mHなので、40KHz JJY受信には、3100pFが必要になります。
フィルム・コンで約2700pFを、バリコンで1000pFを付加しました。
室内で40KHzに同調を取りましたが、中々優れた選択度だ、という感じです。
そしてまた、単にフェライト・ループ・アンテナの時よりも選択度が上がったせいか?感度も上がりました。

そのまま外へ設置しましたが、なんと!!何と!!!
外気温が低い為に同調点がかなりずれてしまいました。
調整は使用する所でやらないと無意味だという典型ですね~っ。
でも、気候に左右されてしまう回路という事は、安定した活用が難しいという事になってしまいます。

そのことはさておき、フェライト・ループ・アンテナ+同調回路というアンテナではどのような結果になるのかが気になるところですね。


フェライト・ループ・アンテナ+同調回路 for PERSEUS

受信機にはPERSEUSを使用しました。
状況の変化が読みやすいHDSDRソフトを使っての比較です。

単にフェライト・ループ・アンテナ+同調回路だけで受信した状態が左図です。


40KHz JJY 右わきに出ている外来ノイズが気になるところです。















直径1m磁界ループ・アンテナでの40KHz JJY受信

直径1m磁界ループ・アンテナのみの40KHz JJY受信が左図です。

写真での比較では判りづらいのですが、明らかにノイズが減って聞こえます。


同一条件、同一時間でないと比較出来ない事柄です。
















ディスコーン・アンテナでの40KHz JJY受信比較

図では判りづらいですね。
40KHz JJY信号は微小ながら受信はしていますが、明らかにノイジィーな受信音です。

いらぬ外来ノイズも時折混じってしまっていました。

この微妙な違いが磁界ループ・アンテナを受信の基本としている所以です。

しかし、時々ですが、稀にディスコーン・アンテナに切り替えた方が良い場合もあるのでそこが面白いところです。










フェライト・ループ・アンテナ+同調回路+VLFコンバーター

同一時間帯にて観測していますが、VLFコンバーターを通して受信してみると人工外来ノイズの量が激減している事が判りました。

ガルバニック現象の軽減に役立っているのかしらん・・・・???

アイソレート回路でもこのように綺麗には取り除けません。

VLFコンバーターの高性能を褒めてやりたい気分です。














直径1m磁界ループ・アンテナ+VLFコンバーター

我が家の基本アンテナですので聴き慣れた感はありますが、直接受信よりも、VLFコンバーター経由の方がよりクリアーな受信が出来た事が嬉しく思うところです。

ざわつき感がまったくありません。

外来ノイズの排除も見事の一言です。


















ディスコーン・アンテナ+VLFコンバーター

電磁界ループ・アンテナでの、その外来ノイズ排除比較というモノを見かけたことがありませんでしたので、その効果のほどを左図に示しました。

何でもかんでも拾ってしまう、ディスコーン・アンテナですが、外来ノイズもそのまま受信されてしまっています。

聞いていてもノイジーな感じを受けます。

VLFコンバーターでも素通り状態でした。










今回、磁界ループ・アンテナの小型化を狙って試作してみた、フェライト・バー・ループ・アンテナですが、使用目的がしっかりしていれば使えるモノではなかろうか?という感想です。

オール・マイティーなアンテナは、やはり、大型磁界ループ・アンテナに落ち着きそうです。
同調型も試作してみては壊し、また組み立ててみては失望・・・・。
いつも気軽に活用するには面倒な作業を強いられる事が厄介になり、やはり、非同調型が一番自分に合っている、という感想を再確認した次第です。