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IC-71 1st Mixer IF AMP



回路的には簡単に見えるブロックです。
が、しかし、アナログ的要素の固まりで一筋縄では思ったような動作が期待できない部分です。
部品点数の数の割には、基板面積が大きく必要になってしまいました。
これも試行錯誤の結果です。

IC-71 1st Mixer  IF AMP 回路図


ようやく思うような動作になりましたが、当初の設計通りの実回路からはだいぶ変化してしまいました。

簡単に、が一番の目標なのですが、如何せん、ここの部分だけはそれも許してはくれませんでした。
IC-71特有の周波数関係から、だいぶ設計には苦労させられました。

回路内にある同調コイルなども意識的にシールドは掛けずに、裸コイルとし、M結合による目的外リジェクション効果を期待した回路構成としています。
その為か??? 各コイルの幅と、向き方向が少しだけ バラバラ な並びになってしまいました。
見てくれがどうも、スッキリしてませんが、まっ、これでOK !!!!  ということに、、、。

IC-71 1st Mixer  IF AMP 回路基板


入出力側にある、自作DBMも別基板としている為に、回路組み立てがとても楽でした。
ただし、手持ち部品で回路構成を作っていますので、適正化数値ではない部分もありますが、動作的には、何ら問題ありません。
長期安定動作に十分配慮した回路設計を行っていますので大丈夫だとは思います。

故意の衝撃テスト(落下テスト)でも何ら動作に変化は見られませんでした。

これで、ようやく IC-71 内部の全回路基板が完成しました。

あと残すは、IC-71筐体への組み上げです。

バラバラになった IC-71 スッカラカンの筐体を眺めてみては、どのように組み立て仕上げるか??? を、混沌とした趣で見つめています。

仕上がった IC-71 のVFOをつまんで選曲し、短波放送をリスニングしている姿を想像しながら、アイディアが浮かぶのを期待して待っていますが、いつになるやら、、、。


IC-71 40MHz IF AMP Tr Vs FET TEST


IC-71 の 40MHz IF AMP 回路に用いるテストを行ってみました。
Tr と、FET とでテストを行い、その違いなどを検証しました。
また、同一環境とするために、回路構成はほぼ同じにしています。

IC-71 40MHz IF AMP TEST

使用するデバイスのみの変更としました。
これにより、同一回路構成でのデバイスの特性の違いが見て取れると思います。
厳密には、各デバイスでの適正化回路構成が理想なのですが、簡易的にテストしました。

40MHz IF AMP TEST の様子

いつもながらの直付けハンダ基板を利用しての実験です。
毎回使用していますので、徐々に銅箔が基板から加熱による浮き上がり現象が所々に見られるようになりました。

ちなみに、この実験基板も、後でIC-71の内部へと使用する予定の基板です。

いやはや、、、、ハンダが盛り過ぎて、ボコボコ状態です。
後で、ハンダを溶かして均一化する予定ではいます。

40MHz IF AMP 実験回路の様子

TG出力 -20dBm

Tr式アンプ 40MHz IF AMP +30dB

TG出力    -20dBm
AMP OUT  +9.72dBm

約+30dB ほどの増幅です。


簡易的なノイズ・フィギャーNFなども計測してみたところ、このTr式アンプ、
約1.64dBでした。

FET式アンプ 40MHz IF AMP +15dB

TG出力    -20dBm
AMP OUT  -5.28dBm

約+15dB ほどの増幅となりました。


これらにより、増幅度は、高周波Trの方が高いという事が判ります。
それらのデバイスの違いは、増幅度もさることながら、デバイス端子間でのスルーが全く違っていることです。

Trは、かなり信号を漏らします。
そして、FETは、信号のアイソレーションの点では優れています。

使用する用途や、各箇所での特徴を活かした利用が良いようです。

この様なハダカ基板でのバラック・テスト回路でも、異常発振などを起こさなかったのですが、やはり、しっかりと組み上げていけば、より良い特性・性能が期待できますね。

このように一つずつ、回路の実験を行いながら IC-71 の全体回路を組み立てていますが、やはり、時間がかかります。
いつになるやら、、、、。


IC-71 40MHz IF DBM テスト


手持ちの市販DBM ダブル・バランスド・ミキサーがRF入力として使った場合に低周波領域まで伸びていない事が判った為に、ここも自作することにしました。
その為にも各ブロックごとの動作を把握しておかなければなりませんので、簡単なテストを行ってみました。

40MHz 1st IF DBM テスト回路 

非常に簡単ですが、通常のFB801タイプのコアよりも二回り小さな材質の同等なコアを使ってテストしてみました。



毎度の事で、カット基板上に各パーツごとに組み立てています。
この様にブロックごとに組み立てていけば、最終組み立ても楽になります。
ただ、一つ一つの各パーツ基板が小さい為に、目を凝らしながらの作業となりますが、これが大変でした。





出来上がった40MHz 1st IF 回路の DBM と、40MHz BPF 回路のテスト基板の様子です。


DBM 低周波領域でのテスト


通常の周波数範囲なら、どんなDBMを使ったとしても大差なく利用することが出来ますが、低周波領域 0MHz~という領域が、実に厄介なのです。
それをテストしてみた結果が、上の様子を写したモノです。

Lo 信号 40MHz  +7dBm

RF 入力信号 0~1MHz をスイープ入力

IF 出力   40MHz 出力信号

どうでしょうか???

IC-71 の 1st IF 周波数変化の方向が、通常とは違い、逆方向への移動変化となりますので、右端が 0Hz-->40MHz   左端が 1MHz-->39MHz  となっています。

だいたい、許容範囲での把握では、500Hz 辺りから同一出力レベルに成りました。

f特なども良好ではないでしょうか?
うねり無く、素直なミックス信号が出力されています。

DBM に注入する Lo信号の漏れレベルが多少、大きくなってしまいました。
その点だけを簡単に改善する方法は、DBMに使用するコアに巻き方を変えて巻くことにより、だいぶ改善はします。
しかし、その方法だと低周波領域が苦しくなってしまいましたので、局発信号の多少大きくなった漏れ具合には目をつぶることにしました。

だいたいの動作テストを行った感想は、なかなか実用的だ、という思いがします。

IC-71 BPF の違いと特性比較



PLL VCO OSC 回路基板も出来上がり、今度は40MHz 1st IF 回路です。

そこで、ここに用いる40MHz BPF の特性の比較を見てみました。

受信部のトップIFなので、限りなく良い特性にしたいものです。
願望ですが・・・・・。

簡単で且つ、特性の良いものを目指してみたいと思います。



とても簡単なBPF回路ですが、回路定数をほんの少し変えるだけで、かなり特性が変化してしまいます。

40MHz BPF 実験回路

ちょうど、手持ちにあった出来合いのコイルのみで設計してみました。
これだとコイルを巻く手間が省けますのでラクチンでした。
もちろん、手巻きコイルでも同様な特性は出せます。

A タイプ BPF 特性

Aタイプの特徴が特性として現れました。
左右対称になっているスカート特性は、いつ見ても綺麗ですね。


B タイプ BPF 特性

BタイプのBPF回路は、一番多用されているBPF回路ではないでしょうか?
しかし、特性は写真のように左右対称とはならず、BPF帯域も広がっています。
ただ、製作しやすい、という点が一番の利点でしょう。


A & B タイプ BPF 特性比較


二つのBPFを同時に比較してみました。
各々の特徴的特性が現れています。

製作しやすさは、何と言っても (B) タイプ ですが、特性には不満が残りますね。

これを元に、IC-71 1st IF 回路のBPF回路部分を設計します。
いつ完成するのやら・・・・・・。


IC-71 PLL VCO 40MHz--184MHz OSC



少しずつですが、IC-71の改修の続きで、今回は、第一局発 PLL VCO 部の制作を行いました。

今回の PLL VCO に至るまでには、だいぶ回路変更も含めて、色々なVCOを試してみました。
その結果、最も安定し、かつ、容易な制作が可能な回路に落ち着きました。
実験段階では、FET を使用した、VCO発信器をずらりと並べ各バンド毎のVCOとしましたが、回路が複雑になり過ぎてしまい、基板の面積ギリギリになった為に回路変更を行いました。

IC-71  PLL VCO  40MHz ---184MHz 回路図 

今となっては、オールドICだらけで構成しましたが、回路のメンテナンスは良好です。
VCO 発信に使用した、MC1648Pなど定番の広帯域安定発信器ICの代表格です。
このIC一つだけで、実に40MHz---94MHzまでのオクターブ発信を超えるVCOが簡単に構築可能です。
また、184MHz台発信は、FET VCO OSC としました。
MC1648P ICを使用しても勿論、大丈夫なのですが、少々出力が足りなかったのと、一つぐらいはディスクリートで組んでみたかったのがこのVHF VCO OSC回路となりました。



VCO 発信の制御に使用するPLL回路は、ワンチップPLL IC MC145163Pを使用しました。
これなども今となっては、オールドICですね。
ワンチップで全てが制御可能な為に、PLL回路では多用しています。
また、バンド切り替えにも簡単にダイオードにて電源を供給する方法で行っています。
この乱雑な回路、今どきのワンチップICなどを使えばスッキリしますね~っ。

毎度の事ですが、出来上がった回路を見回して、こりゃぁ、手直し・修理はむずかしい、、、。
などと、。


PLL VCO  40MHz -- 185MHz スペクトル

今回の広帯域PLL VCO OSC のスペクトルです。
意外と安定しており、広帯域PLL回路にありがちな、ビート音なども無さそうでした。
また、各バンドすべてが、+10dBmを超えていますので、DBMへの接続も容易に行えます。
DBMへの局発信号なので、多少の歪は許容範囲ですが、意外と良さそうな出力信号なので安心して使用出来ます。

だんだん、年をとってくると、めんどくさい作業を開始するまでが大変で、腰が重たくなってきてしまいました。

作業をする前段階で、頭の中で一通りの作業手順が過ってしまい、それだけで面倒になってしまう、この頃です。
経験が仇になりますね。

ようやく完成した PLL VCO OSC を三日三晩、動作し続けてみましたが、何ら異状なく動き続けてくれました。

VCO OSC の出力信号を受信器で聞いても、CW音の澄み切ったビート音が軽やかです。

IC-71 の全面改修作業を始めて、はや、何年が経ったのか???
人生の改修作業となりそうな予感がしています。

とりあえずは、心臓部である、PLL VCO OSC が出来上がりましたので、今度はそれらの組み込み作業です。
諦めず、ひた向きに確実に、、、、、、、、。


IC-71 TRX-切替SW FET式回路


IC-71はトランシーブ・トランシーバー(古い言い方だこと・・・)なので受信と、送信とをスイッチ一つで自動切替が出来なければなりません。

原点である、オリジナルなIC-71では、単純にパワー・リレーを用いて接点切替を物理的に行っています。
しかし、そこは現代、、、。
半導体切替式ということにしました。
その方式だと故障率がかなり低減できますね。

通常は、見慣れたTr式切替回路がほとんどですが、そこは昨今のPC全盛の時代の恩恵を恵みとして享受することにしましたので、P-MOS FET を使用した電源切替回路としました。

これほど便利な素子ですが、パソコンの発展と共にデバイス性能も格段に向上傾向にあり、もはや理想的デバイスではなかろうか???  などと思っております。

ただし、PCの分野では今回使用したデバイスは、既に過去の存在のようです。
いやはや、パソコン界って、短命を宿命づけられた世界なんですね。
そのおかげで、高性能デバイスを心行くまでしゃぶりつく事が可能になりました。


P MOS FET 仕様 送受信切替回路


高性能デバイスのお陰で簡単な回路構成でも大電流を流せる本格的切替回路が出来上がりました。

N MOS FET とは違い、P MOS FET での結線は間違いやすいので、Pin記号も記入しました。
S (ソース) から入り、D (ドレイン) が出口です。

組み上げた時点で動作テストを行ったところ、大電流時でトランジスタ式では不可能だった、ロードロップ切替(0.18V)が実現出来ました。

そしてなによりも大電流を得るための切替信号も簡略的に構成することが可能となりました。
実テストしてみて関心したところは、何といっても、そのロー・ドロップ性能と、発熱の少なさです。


P MOS FET 仕様 送受信切替回路の実際

これほど簡単な回路となりました。
1.5Aを連続で流してみても、まったくFETが熱くなりません。
これが、Trや、N-MOS辺りだったら、もう大変な放熱器が必須の事だったことでしょう。

ここで使用した、P MOS FET は、単に手持ちにあったものを用いていますので、使用する容量範囲を考慮すれば、別のP MOS FETでも問題ありません。

これからの電源切替回路には、P MOS FET が定番でしょうね~っ。

単純なモノほど壊れにくい、という格言もありますので複雑怪奇なモノよりは好みだったりします。


IC-71 プリミックス 39MHz帯 VFO の製作


当初のアイデアでは、VFOコイルごと組み替えて、直接39MHz帯を発振させた周波数改造のVFOを考えていましたが、やはりここは先人の努力の賜物を無駄にせず、残す方向へと変化しました。

IC-71のVFO発振周波数は、逆方向性での変化となっていますので厄介なところではあります。

中々それに見合ったXTalが見つからず、時間だけが過ぎてしまいました。
しかし、ここにきて程よいXTalが容易に入手出来るようになったので自励発振OSCではなく、XTal発振のしっかりした局発回路が出来上がりました。


IC-71 プリミックス 39MHz帯 VFO改造回路図


元々のIC-71 VFO 内部へとこの回路全体を収納するためにも小型化は必須な条件となります。
まずは、元のVFO内部での空きスペースの面積から収納可能面積を考慮します。
そこで決まった面積の基板にこの改造回路を全部組み立てていきます。

一番問題になったのは、コイル類の大きさでした。
そこで、立体的実体配線組み込みを限りなくスペースを切り詰めて組み立てました。
中には部分的に3階建構造の部分もありますので、失敗や故障などが起こった場合にはお手上げ状態です。
そこで、電子回路の基本中の基本である、回路動作は無理せず軽~るぃ動作に気を付けた回路設計としています。

また、一番肝心の周波数混合器・プリミックス・ミキサー回路には、無調整で優れた性能が期待できるDBMを採用しています。
ここに使用したDBMは、以前、実験的にテストしたことのある超小型 1コア式 DBM を使用しています。
中々どうして高性能ですょ。


プリミックス局発用 XTal 発振回路の実際


右図が局発回路の組み立てたところです。

一つずつの回路を実証しながら組み立てていきます。













局発回路の写真を見ると、XTalの大きさが一番スペースを取っていることが判ります。
しっかりした発振を確認し、ある程度のあり得ない程の環境変化・ダメージを当てて、それでも安定した動作をしているかどうかを確かめておきます。


プリミックスの心臓部分の完成回路



いやはや、もう修理は無理ですね。
















XTal局発と、1コアDBMによって目的の39MHz帯へとVFOの周波数を変換させます。

要としては、やはり、周波数変換ですので、出力側での周波数選別としてのコイルがとても重要となります。


プリミックス周波数変換器 DBM 出力の様子


高次発振をしていますので、かなりのお化けを覚悟していましたが、回路の適正化を行ったためか?? とても素直な、綺麗な出力となっていました。

しかし、このままのプリミックス回路出力電力では出力が足りませんので少し増幅することにします。

-5dBmでは、DBMを正常駆動させることも出来ません。


プリミックスVFO出力増幅後の特性波形



軽~るく動作させていますので増幅率はさほどでもありませんが、プリミックス出力側の同調コイルでは取り切れなかったお化けも多段同調コイルとすることによってこれだけ綺麗になっています。

アンプでの出力電力も、+10dBmを超えていますので程よく安定したプリミックスVFOとして使用できそうです。




IC-71 オリジナルVFO内部へとプリミックス回路を組み込んだ様子



やはり、昨今のしっかりした部品・パーツと比べると見劣りせざるを得ない、何やら頼りなさをも感じてしまう部品や、パーツ類が使われていますが、ここは先人に敬意を表す意味でも、そのまま使用することにしました。
ただし、よく故障するであろうコンデンサ類だけは交換しています。

少しずつですが、IC-71の大幅な改造を行っていますが、その時々に改造ポイント確認の為に使用している、広帯域受信機を聞くたびに時代の流れを痛感してしまいます。

しかし、負けずにIC-71の改造を行っていくつもりです。
このIC-71は、私にとって記念すべき大切な大切な、一台だからです。

いつになったら改造が終わることやら・・・・・・・・・。

墓場までは持っていけない、、、。

それまでは終わらせないと!!!!!!!!!


IC-71 IF回路ブロック

IC-71の改造箇所に於いて一番の心臓部だ。

IF回路部分も実体配線にてハンダ付けして組み立てている。
元のケースを活かすため、基板の大きさには制限がある。
そこにIF回路全てを組み立てている為、組み上げられたIF回路には後からハンダごての先すら入れる隙間さえ無くなってしまった。
455KHz 送受信回路、AGC回路、フィルター部、MIC AMP部などが所狭しに配線されている。


元ケースの側面には一番大きな基板が載せれるスペースが有った為にその大きさに合わせた基板にハンダを前面にバンダメッキを施し、取り付け用ナットを4箇所付けた後、各部の部品を一つずつ実体配線にてハンダ付けした。
当初からスペースがギリギリな感じを持っていたので可能な限り部品と部品のスペースを空けずにハンダ付けした。
しかし、455KHz IF回路部分が組みあがった状態で再度見て見ると、かなりスペース的に空いてしまった。
もう少し間を開けて部品配置すべきだったと反省するも、既に遅し。
この時点で部品交換など出来るはずも無い。
実体配線での注意すべき点があるとすれば、各部の動作回路が組みあがった時点で必ず動作確認を行っておく、という事が大変重要だ。
それを怠ると、後々痛い思いを味わうことになる。
各部の動作確認と、それに続く回路の組み立て時には、再度、一連の動作確認はすること。
要は、動作し完成した各部回路の結線とする事で不動回路とならずに済む。

実体配線が終わった455KHz IF 回路の基板を眺めると、ここまで極細組み立てをしたのか? という思いをします。
ちなみに、各パーツ類の取り付けで、不安定な取り付けの場合、動作的に悪影響の無い部品をパーツ支えとして基板にカッチリとハンダ付けしています。
そのためか、これまた叩いても動作不安定にはなりません。
非常に込み入ったIF回路ですが、後日回路図をアップします。
例のBS3回路図エディッタの使い方をマスターすべく、ただ今。猛特訓中。


IC-71 IF 回路図

ようやく回路図が出来上がった。
実際の組み立ての方が楽な気がするほど面倒な作業だった。

向き不向きがあるようだ。

まだまだ改良の余地があるIF回路ですが、その方が後々楽しみが増しますので良し、とします。

ほぼ全てのパーツは手持ち部品で組み立てました。
その為、回路定数などが不揃いになってしまいました。



IC-71 改造ブロック図

IC-71 の改造を行う為にも完成予想を想定し、その元となる全体像の把握をしなければなりません。  その為に全体をまとめたブロック図は重要です。

IC-71の発振周波数関係には厄介なところがあり、考慮しなくてはならない周波数関係が沢山ありました。
多少のデメリットには目をつぶって、あえて長波帯から受信可能とするような回路構成にしました。
簡単なバラック組テストでは、十分受信出来ましたのでそれを元に製作することにしました。


一番厄介な部分が、第一IFの周波数です。
1st PLL OSCからくる40MHzの局発漏れが0~1MHzまでの受信帯域に常に出力されてしまうからです。
しかし、思ったほどの影響でもなく、面倒なのでこのままの回路構成にしました。
この厄介な1st IFですが、悪いことばかりでも無く、40MHzと高い1st IFの為にUHF帯以上の回路構成を可能に出来る要素があります。
未だに悩んでいる部分が、2nd LoのVFOとプリミックスさせる部分です。
元々アナログVFOが基準なので、プリミックス用の局発にわざわざXtalなどを使わなくてもLC発振で十分なのではないか? という悩みです。
手持ちにその近辺のXtalが無いこともありますが、下手するとLC発振回路で組めば逆変動が見込めてその結果、元々のVFOよりも安定なVFO発振が期待できるのではないだろうか?
などと、日々悩んでいます。
簡単な実験でもLC発振の周波数変動とは思えないほどの安定さが得られており、これをどう捉えるかが今の課題です。
受信回路にはだいぶ神経を使っているのですが、送信系は簡易的とも思える簡略化された回路構成に留めております。

IC-71 455KHz BFO 回路


発振源には、安価な455KHzセラロックを4ヶ使用しました。
それを経年変化の少ない電圧切り替え式として安定動作を期待します。
たった一台だけの製作、それも限られたスペースへ配置しなければならない為に、わざわざ基板を作って組み立てる事はせず、ぶっつけ本番の実体配線にしました。
メリットとしては、全体的にグランドが強化されている為に回路動作が安定します。
また、少しの回路変更にも即座に対応可能です。
気を付けたところは、ガタガタ振動を与えられても安定動作を続けられる所に気を使いました。
その為にも外部配線端子には、もったいないですが、貫通コンデンサーを台座として利用し、振動に耐えうる構造にしました。
初めは2石式BFO OSCだったのですが、1石の方が出力波形に歪が少なく安定していた為に1石式になりました。
その出力を455KHz IFコイルでBPF動作をさせ、出力信号の歪を大幅に改善しています。



IC-71  455KHz BFO 回路

大変シンプルな局発発振回路ですが思った以上に出力信号が綺麗です。

わずか1石だけの簡単な回路なので色々と応用が利きます。

上手に働かせるコツは、やはり、軽~く動作させてやることに尽きます。










455KHz BFO発信器での実際の出力波形です。
よどみの無い大変綺麗な波形になっています。
このBFO発信器の信号が汚れていると、SSBやCW受信において受信音に違和感の有る疲れる受信音になりがちです。
早く澄み切ったCW音が聴きたいものです。
幻想に終わってしまうのか、まだ判りません。
ちなみに、デジタル・オシロというものはアナログ信号を見る場合、どうもしっくりこないところがあり、測定していてもフラストレーションが溜まります。
好き嫌いの世界かも知れませんが、やはりアナログ・オシロに軍配が上がりそうです。

455KHz BFO発信器出力のスペクトルです。
大変綺麗なスペクトルをしていました。
この455KHz BFO発信器は、これで完成です。


IC-71 455KHz BFO OSC  と AF AMP 部の組み上げた状態です。
全てのブロックを実体配線としています。
あとで時間があれば、全体のブロック図とともに、各回路図も上げてみたいと思います。
かなり振動には気を使った製作でしたが、叩いてもビクともしない安定動作をしてくれました。


IC-71 の改修

現在ICOMと呼ばれている、以前、井上電機製作所 50MHz AM/FM/CW トランシーブ・トランシーバー。

初めて購入した記念すべきメーカー品です。
VFO駆動機構に特徴があり、記憶では、ドイツの技術を取り入れた一軸ダブル・チューニング方式という減速比可変方式のVFO駆動軸を持ち合わせていました。
これが中々の優れモノでした。
しかし、このIC-71はオール・トランジスターですが、送信ファイナル部には真空管式と同じくチューニングしてマッチングをとる機構があり、これが厄介でした。
購入した本人には簡単な操作でしたが、クラブなどに貸した場合、決まってファイナル・トランジスターを飛ばして帰ってきました。
数回ではきかず、数十回ほど壊されました。
その都度、2SC517を探すのですが、中々入手しずらく、代替品を当てていました。
周りでは同社のFD-AM3Dという、2VFO機が盛んに使われていた時代です。
メーカーの世界では、YAESU(八重洲)無線が全盛の時代でもあり、憧れのFT-101を横目で観ていた時代です。
記憶では、FT-101よりもFT-401の方が聴きやすかった印象が今でも残っています。
今思えば、無線界の幕開けの時期だったのかも知れません。
懐かしい限りです。


IC-71の全体のブロック図です。
構造的にコリンズ・タイプに成っており、中々凝った構成です。
しかし、周波数が高い為か、VFOの発信周波数関係が逆になっています。
この周波数構成がIC-71の改修作業に大きく厄介な問題として残りました。







IC-71の全体回路図です。
出たばかりのトランジスターを多様していて、その中において、FETである2SK19などは受信部トップのRF AMPに用いられているほどです。
現在では、2SK19などをRF AMPに使うことすら無いと思いますが、以前は革新的なデバイスだったのです。

大切なIC-71でしたが、50MHzのみ、という事に我慢できずに改造を施そうと思い立ち、だいぶ以前に内部もろとも分解してしまいました。
残った使える部分を写したモノがこれです。
以前の妄想では、オールモード・全バンド対応型とする計画でした。
ようやく時間とやる気が出てきたことにより、一つずつブロックに分けて製作を進めていきたいと思います。
こりゃぁ、だいぶ時間がかかるな~っ。
先ずは、本体に接続するIF回路部分が肝心です。
IF回路部分で前面パネルの大部分を占めます。