リターン・ロス・ブリッジの製作

WILTRON VSWR BRIDGE 62BF50から。



低周波領域で使用可能なリターン・ロス・ブリッジの手持ちが無い為、何とか自作することにしました。
とりあえずは、手持ちの中では低周波寄りのブリッジ、62BF50を接続して観て、考察するようにしました。

表記では、10MHz-1GHzとなっています。





APB-1 にてDUT=50Ω時の62BF50での特性です。

かなり素直な特性です。





製品特性などを調べ、次に低周波寄りの特性を持ったブリッジを製作します。


丁度、ウィルトロン社の62BF50に使われていたモノと同じアルミ・ダイキャスト・ケースが残っていたので、それを加工して作ることにしました。
BNC取付け穴が、楕円形だったもので、ミーリング加工しました。
機械加工工作は、何時行っても楽しい工作の時間です。
ただ、道具が重いのが難点です。
片付けが大変・・・・。





BNCコネクタ 3箇所を加工後、仮止めした状態。
プリント基板を使わずに空中配線も出来るな~っ、、、。
ふと、安易な方向へ・・・・。

しかし、BNCコネクタの芯線のぐらつきが出た場合、部品が壊れるな~っ、などと思い立ち、やはり、ここは、面倒でもプリント基板にて部品の固定化を図ることにしました。




幾多の困難を乗り越え、やっと完成した、リターン・ロス・ブリッジです。
メーカー製と、自作品とを並べてみました。
製作中で、気を使ったのは、トロイダル・コイルの基板へのハンダ付けでした。
基板をケースの中にハンダ付けした後にコイルを取り付けるというのは、至難の業でした。
実は、トロイダルが大きすぎたのが原因なのですが・・・。
BNCコネクタは、一番安価なモノを利用しました。
ちなみに、トロイダル・コイルの巻き数は、全てバイファイラ巻きの20回巻きです。




出来上がったブリッジの30MHzまでの特性です。
8.4MHz辺りに深いディップがありますが、巻き数によってだいぶ変化します。
ただし、この時点で、-88db以上をマークしていました。
高い周波数辺りになると悪化してきましたが、低周波重視という事で大目に見ることにしました。




一番使用する帯域で、1MHzまでの特性です。
大変素直な特性が描かれたとき、感動しました。
これで、ラジオの部品作りもより確実なモノづくりへと変貌出来そうです。






10KHzまでのAF低周波帯で、面白半分で特性を見てみました。
個人的には、3KHz辺りから使用可能なすばらしい特性だと思うのですが・・・・。
なんだか 判りません。







最後に、やはり、全体のf特性を観て見たくなり、トラジェネにて観てみました。
思ったとおり、低周波に於いてのみ、深いバランスが取れているようで、これは、メーカー製でも出なかった特性でした。
オール・マイティな製作は、自作には不可能だとしても、用途を限定しさえすれば、メーカーの狭間的な高性能自作品も可能だと言うことが言えそうです。  


   


参考 回路図







電気的な回路図を実体配線から読み取ってみました。
リターン・ロス・ブリッジの構造は、大変単純ですが、
全ての面でバランスを取ることが重要です。
機械的・構造的にもバランスを取らなければバランスが崩れます。

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